HOT STAFF's Monologue !

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孤高の一品『Rare Mustang』

馴染みの店で腰掛けて何気なくギターを眺めていたら、何処かで見たあるものが・・・。
遠目で見ていたのでヘッドに書かれた文字は見えず、座ったまま考えていたら『Fender Mustang』と思い出した。
黄色のボディーにコンペティション・ラインと呼ばれるのラインがデザインされている。

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このMustangは1969年製で、生産本数が少なく、人気の高いマッチング・ヘッド仕様のコンペティション・オレンジ・フィニッシュ。
1969年の発売に間に合わせるためなのか、または、1969年以前にサンプルで製作された1本なのか・・・?
ネックには『66』の刻印がある1966年製ブラジリアンローズ(ハカランダ)指板のスモールヘッドが付いていて、色が1969年製カラーのマッチング・ヘッドなので、後からの交換ではなく製造時からこのネックと判断できる。
ブリッジには『Bass 6』の台座が使用され嘘のように軽いアーミング。
音はThe Mustangでクリーンから歪まで素晴らしい音質というもの。
なんとも言えない超レアな1本だと思う。

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持ってみると軽い
ショートスケールというのもあるだろうが、とにかく軽い!
弾いてみると太い
シングルピックアップが2つとは思えないぐらい、とにかく音が太い!

気に入ったので連れて帰ることになり、調整のみしたので、自分史上初めてオリジナルのままとなる。

弾いていてピックアップの切換スイッチを動かすと『ガリッ、ガリ』と音がする。
さすがに、50年の時の流れに切換スイッチは、経年変化を起こしていた。
また、Mustangのオリジナル配線では、各ピックアップにオフの部分が存在していて音が出ない場合があるので、必ず音が鳴るようにしたいと思い、気になった全ての部分も含めて改造することに。

改造目標『ピックアップの切り替えを楽に、トーンはローカット』
ピックアップの切り替えは楽になったが、音が出ない場合がある。
2つの3点スライドスイッチだけでは不可能な組み合わせがあり、その1つの組み合わせだけ音が出ない。
不可能なことは仕方ないと思って受け取り家に帰って弾いていたら、気になり始めてどうしようもなくなる。

改造目標『どんな組み合わせでも、音が鳴る』
2つの3点スライドスイッチだけではやはり無理で、ミニスイッチを1つ使えば可能となることが分かる。
この改造を行うと、ピックガードの内側が凄いことになるが、どの組み合わせでも音が鳴る。
結果、操作性が良くなり、音色の幅が広がると良いこと尽くめに。

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1969年製Mustang、いわゆるオールドと呼ばれるギターに大改造を施した。
しかし、オリジナルに敬意を表し、更に素晴らしいギターになるよう慎重に改造する。
改造した点は、主にピックガードの内側で、1つだけミニスイッチが表に付いた。
2つのピックアップ切換スイッチは、1つはピックアップの選択、1つはミックス時の正位相・逆位相の選択となる。
ミニスイッチは、ピックアップ切換スイッチの設定に関係なく、ピックアップを直列につないでハムバッカーに。
トーンはPush/Pushにして、1950年代製オイルキャパシタを使用したトーン回路とローカット・トーン回路を切り替えられるようになる。
大改造した結果、オリジナルを生かしつつも、素晴らしい音が鳴るようになる。

自分はプレイヤーでありコレクターではないので、弾きやすさを求めて改良や改造をする。
プロのギターを見ると、改良や改造をしていることが分かる。
ギターは楽器であり、楽しみながら弾くことが理想だと考えている。