HOT STAFF's Monologue !

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忘却の彼方から復活

押入を片付けていたら、古いカメラを発掘。
見つけたときは頭の上に『?』が灯り、記憶が忘却の彼方に。
暫く見ていると、子供の頃に見た祖父のカメラだと思い出し、50年振りに手にしながら子供の頃を振り返っていた。
革製ケースを外してみると、カメラの天板に『Richo"35"』とシリアルナンバーが書かれていた。

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外見は綺麗だから撮れる?と思いシャッターを切ったが、残念ながらシャッターは切れなかった。
折角、見つけたので『修理!』と思い、修理することにする。
カメラ修理で有名な東京や大阪などの店に問い合わせてみると『無理です!』と言われるばかりで埒が明かない。
探していたら福岡に修理屋さんがあり、問い合わせてみたら『一度、見せて下さい』と言われたので、修理できたらラッキーという感じで持ち込んだ。
カメラを見せると『修理できるかどうか分かるのが2週間後ぐらい』と言われたので、迷わず修理をお願いした。
修理屋さんから連絡が来るのを待っていたら1週間後に電話がかかってきた。
嬉しいことに『修理が完了した』との連絡だったので直ぐに取りに行く。
修理箇所は、シャッターの調整、レンズとファインダーのカビ清掃、羽根の清掃で、修理代は税込8,800円。

持って帰ってリコーのホームページを見てみると掲載されていた。
発売年が1955年(昭和30年)、価格が12,000円
昭和30年の公務員の初任給8,700円で、給与の約1.4ヶ月分。
初任給の約1.4ヶ月分を現在で換算すると約24~30万円で、上位機種カメラぐらいの価格と同じになる。

リコー35
発売年月 1955年12月
フィルムシステム 35mmパトローネ入りフィルム(135)
画面サイズ 24×36mm
レンズ リコマット 45mm F3.5 3群3枚構成(富岡光学製)
フォーカス 距離計連動 ヘリコイド
シャッター リケン B・1/25-1/200
特徴 リケン35の改名。以降カメラのネームにリケンは使用していない
大きさ 巾140mm×高さ77mm×奥行64mm
質量 550g
価格 12,000円 ケースつき
見分け方 シャッターのセットレバーとレリーズレバーを隠すカバーが印象的

今は、デジタルカメラが全盛の時代。
直ぐに頭に浮かんだのが、白黒フィルムが買える店、現像ができる店を探さないと写真が撮れないということ。
そして、当然ながらマニュアルフォーカスなので、まともに操作できて写真が撮れるのかという問題も浮かぶ。
せっかく、修理できたのだから撮ってみたいと思うのが人間というもの。

修理するまで祖父のカメラだと思っていた。
ところが、カバーを全て外したら持ち主の名前と住所が書かれていて、叔父のカメラということが分かる。
先日、実家に帰った時に『黒電話』が鳴り、叔母からの電話だった。
叔母と最後に会ったのが小学生のときで、電話で話した記憶も無いから、最初は誰だろうと思いながら話していた。
その時、叔母から叔父が亡くなった事を教えてもらうが、叔父のカメラの事は言っていない。
今度、叔父のカメラを手渡そうと思っている。

修理に応じてくれた『ゼネラルカメラサービス』さんに謝辞を送りたい。
福岡市博多区山王にあり、JR博多駅からバスで約10分でバス停から徒歩5分。
ホームページがあるので、修理で困ったときは問い合わせするのをお勧めする。

https://www.general-cs.com/